地図を持って出かけよう!<JR高尾駅を出発>

JR高尾駅南口から初沢~狭間方面を歩いてみよう。南口を出てバス折返し所の信号を右に進み、小川(初沢川)を渡って左に行く。正面に浅川中学校、右に行くと高乗寺、左に行くと御衣公園。

1、高乗寺

竜雲山高乗寺、曹洞宗。開基は片倉城主長井大膳太夫高乗(広秀)応永元(1394)年臨済宗山田廣園寺(やまたこうおんじ)峻翁令山上人によって創建された。
永正2(1504)年曹洞宗として中興開山。江戸時代には、塔中(たっちゅう・小寺院、子院)7院、末寺38か寺をもつ大寺として風格を備えていた。
墓地に入り、右手一帯は、やや荒れているが八王子千人同心のお頭(おかしら)であった窪田家の墓所である。
高尾霊園、新高尾霊園を管理しており、“犬猫のお墓”としても有名であり、詩人・演劇家寺山修司の墓もある。

2、浅川の地下壕

高乗寺の手前右手を注意して歩くと、洞窟の入口のような穴があるのに気付く。
昭和19(1944)年9月から翌年にかけて建設された武蔵野市にあった中島飛行機の浅川地下工場である。工場面積は12,000m2、総延長4、2kmの碁盤の目状の坑道を利用した地下工場であるが、生産はほとんど行われずに終戦を迎えた。

3、初沢城跡(椚田城跡)

高乗寺の前から登るのと、御衣公園の側から登るのとがある。
室町時代の城跡。城主については長井大膳か椚田重兼(横山党の子孫)かと説が分かれる。
山頂は295m、高くはないが、山頂からの眺めはよい。
太平洋戦争中に高射砲陣地などが作られたため地形が変わったが、空堀、曲輪(くるわ)の跡がわずかに残っている。しかし、平地が狭く城と言うより砦(とりで)という観がある。(案内板がない)

4、御衣公園(みころもこうえん)

昭和36(1961)年公園となった初沢・狭間町にまたがる、面積11、2haの風致地区である。
中央に池があり、みころも霊堂・菅原道真銅像などがある。公園のいわれは、道真が天皇から戴いた「御衣」(ぎょい・みころ)に由来している。

5、菅原道真銅像

日本橋の獅子・麒麟(きりん)の飾像、明治天皇像、高山彦九郎像、日蓮、広瀬中佐、杉野兵曹長像などの制作者として知られている渡辺長男(おさお)氏が大正12年に原型を完成させたが、諸事情があって浅川小学校の校庭に4年有余放置されたままであった。
当時の八王子市長城所国三郎氏、浅川町長落合元一氏らが渡辺氏と協力し、昭和11年12月25日完成除幕式を行うことが出来たのである。その陰には、山全部を寄付してくれた山口安兵衛氏、人々を説得し賛同を得るために奔走した「山守」の黒沢卯一氏の尽力もあったことを銘記したい。(像の裏に、詳細な解説が刻まれてある)

6、みころも霊堂 

高さ45m、相輪までは65mの黄金色に輝くパゴダ風の建造物である。
労働福祉事業団が労働者と協議し昭和47(1972)年に開堂した労働災害で亡くなった人々のための慰霊堂。(お墓になっている)
5月花まつり、8月夏まつり、9月秋の慰霊大祭には地元を始め、遠くからも多くの人々が集まって来る。有料であるがエレベーターで10階の展望室まで上ることが出来る。また、二紀会、日展関係の方々の絵画も展示されている。

◎ 公園から駅に戻るのもよいが、足をのばして「高楽寺」の「穴観音」、3月末~4月初めの花の季節には寺の入口の「しだれ桜」を観賞されることを勧めたい。
寺に行くには、公園から東(右手)にやや細い道を進み、町田街道の一本手前の道を右折すると5、6分で着く。

7、高楽寺 

独峯山高楽寺。真言宗高尾山末寺。天文2(1533)年観応師の開山。
天明の大飢饉を救うため、天明4(1784)年、了辯和尚が浄財を投じて五穀豊穣悪病平癒を祈願し、裏の山に横穴を掘り、石仏を安置したと伝えられている。
内部は2本の横穴でコの字型になっている。全長30m、左手正面には弁財天、毘沙門天、不動明王、右側正面には薬師如来、横穴右側には33体の観音像が並んでいて、一体ごとに寄進者の住所・名前が刻まれている。
入口は施錠されているので拝観したい時は予め連絡すると開けて待っていて下さる。(TEL:042-664-6814)

◎ 駅に戻るには、来た道を北に進むとすぐに町田街道に出るので消防署の所の信号を左折すればよい。

◎ 時間と体力に余裕のある方は、町田街道を少し進んで、サトウ製薬を過ぎ、キリスト教会を左折する北野街道を歩かれることをお勧めします。
右手に、御霊神社(鎌倉権五郎景政を祀る)、浄泉寺(近藤出羽守助実ゆかりの寺)左手に宝泉寺、右手少し入った所に龍見寺(大日堂・大日如来~都有形文化財)、道に戻って少し行くと椚田中学校が右手にあり、左手奥クリーニング店の裏には大巻観音がある。

◎椚田中学校前にバス停があるので、めじろ台、JR八王子駅南口に戻ることが出来る。

コラム紹介:
このコラムは、八王子市内の身近な史跡を発見し気軽に歴史に触れてみようという内容です。「歴史の街・八王子」を自分の足で歩き、自分の目で見、八王子の街を見直し明日への活力としましょう。八王子での教師生活38年の元歴史の先生がお届けします。

コラムニスト:増渕 滋さん(元公立中学校校長)